災獣に関する資料
アッシュアームズの災獣に関する資料をまとめています。ゲームの世界観やストーリー、時代背景、登場人物などの設定を知りたい方は読んでみてください。
黒ノ花嫁・ブラウトヴェルドとは
「ブラウトヴェルド」Part1/4
人型が黒いドレスを着ている少女ということから、「黒ノ花嫁・ブラウトヴエルド」と名付けられた。
共生体は黒の龍型怪物で、簡単な描述では、どんな………物に属するかは断定できない。
交戦した部隊が持ち帰った石質の外殻以外、他に生物データが検出できるサンプルはなかった。
黒十字帝国学連の市街地外200キロくらいの場所を巣として活動しているようだ。
本体が観測されるまで、彼女が作り出した砂漠は黒十字帝国学連の大半な管轄区域を呑み込み、迅速に縄張りを拡大した。それですぐに討伐する必要があると判断された。
「ブラウトヴェルド」Part2/4
黒十字帝国学連管轄区域の地元民として、5年前に一度あの砂漠に行ったことがある。
あの時はまだ、共生種の環境改造速度がこんなにも驚愕的とは思いもしなかった。
災獣が異常に活躍するようになる前私たちがまだ大陸上に自由に行き来できた時代、化石を収集するためにいろいろな場所へ行った。その中にエジプト、モロッコなど、砂地が大半な都市も含まれている。
人はいつも、荒れて果てて人家もない表現で砂漠を形容する、それは誤解なんだ。
砂漠が自分の独特な生態環境がある。一般的に、砂漠の環境は人間、あるいは大半の哺乳類動物にとっては不親切な場所だが、通常では、砂漠のあっちこっちに潅木林や原始林などのオアシスがある。
あそこには、相当の数の肥虫類や節足動物、両生類動物や魚類が長期的に生存と繁殖活動をし、必要な栄養循環を完成する。
でも目の前の景色はそうではなかった。
分かってほしいのは、砂というのはゼロから生み出せるものじゃない、岩が長年月の温度差で膨張と収縮をし、風に集中切断されて、少しずつ形成できる。でもこの砂漠の「砂」はいろいろな物が混ざっている。
私はその中から、金属の破片、コンクリートと骨の粉を発見した。石だけじゃなく、ここにかつて存在したすべての物ーービル、住居、畑、機械、そして生物、すべてが砂になって混ざり合った。
生き物の気配がない、正確に言うと、ここに生命体の存在自体が「許されない」。
行進中に倒れたビルの廃墟に出会った、本来内部に入ってみたいと思ったが、すぐにやめたーー不意に足を滑って一角を触った途端、ビルそのものが瞬時にドミノのように倒れ、粉となり砂漠の一部となった。
私はかつて数え切れないほどの化石を集めた。それらはすべて骨の形状が残っているが、元も物質は岩の成分に変えられた奇妙な物だ。
この廃嘘ではたぶん同じのようなことが起きている。形だけ維持されているが、本質では別の物質に変わっている。但し、化石の形成は少なくとも万年以上はかかる。
「ブラウトヴェルド」Part3/4
ある不思議な力がこの区域を人類..地球上の生命体が恐れる形態に変えている。
数年前から黒十字帝国学連の公式にこの事を伝えたが、あまり重視されなかったようだ。
あのバカな官僚たちが、自分の倣慢さに滅ばれるだろう。
ARMSの性能を過信したせいか、黒十字帝国学連は五年前からこの区域の主を討伐し始めた。
でもこの2年半も渡る過程は彼らの過ちを証明した。
あの区域に侵入後、装備の老朽化スピードが正常値を超え、鋼鉄の戦車でさえ、すぐにボロボロになる。
黒十字帝国学連は最初過酷な環境のせいでそうなったと思ったが。
装備だけではなく、参戦人員も顕著に老けていくことを後に気づいた。辺境区域で参戦した人の皮膚でさえ速いスピードで脱水老化し、何か月の間で数年経ったかのように老ける。この現象は区域の奥に入れば入るほど加速する。
黒十字帝国学連はやむを得ず、前線からすべての「人間」を撤収した。その現象に影響されないDOLLSは戦場に残り、引き続き現れ続けた災獣と戦闘する。
でも、戦争の勝敗は武装の量と性能だけで決まるわけじゃない、物流、補給、メンテナンスなどの要因もある。人間の支援がなくなると、そういう事が極めて不便になる。
膨大な装甲部隊も、枯渇し続ける砂漠の中では、座礁したクジラのように、どんどん活力を失った。
「ブラウトヴェルド」Part4/4
相応の情報の提供を条件として、黒十字帝国学連の官僚たちはやっと私の意見を聞いて、前線から一部のDOLLS部隊を召還した。
疲労困憊の彼女たちの武装はほぼ完全破壊されて、修復不可能だ。
このような戦い方で最終的に勝利するとは思えないが黒ノ花嫁・ブラウトヴェルドと対抗できるのは、彼女達以外に手段はない。
私は大量に朽ち果てて、骨董品のようになった装備のサンプルや、不思議な黄色い光を放ち、黒龍の「鱗」と言われたクリスタルをもらった。
もう時間が遅いから、デスクに置いてから就寝した。
次の日悪夢から目を覚ましたら、部屋中の全ての盆栽植物が枯れているのを発見した。まるで半月の前に花瓶に刺した花のように枯れている。
それで私は報告できる推測が立てられた。
「時間」。
生命は時間によって死が訪れ、物質は時間によって朽ち果てる。これはどんなものであれ抵抗できない法則だ。
もし黒ノ花嫁・ブラウトヴェルドは周囲から何かを「奪い取った」のなら、一番適した言葉はこれ以外ないだろう。
白ノ花嫁・ブランネージュとは
「ブランネージュ」Part1/4
無名都市「City(シティ)」の北に巣くう、異常気象と地形を生み出す共生種の災獣の一人。
誰もが知らないきっかけで、狂ったように数万平方メートルの地面と空を凍結した。
その影響で、赤色十月同盟学連大半の制圧区域は極寒の気候に覆われ、これ以上の探索活動が難しくなった。
他の共生種に比べて、白ノ花嫁・ブランネージュの目撃報告と交戦記録が最も多い、その人型は白い服を着ている白い少女と言われている。額にある白い帽子を突き刺す尖がった角は、あの縞麗な顔は人間のものではないと物語っている。
「黒ノ花嫁·ブラウトヴェルド」の隣の黒龍と相対に、この「白ノ花嫁·ブランネージュ」という個体の人型の隣には、2頭の白色の、まるで狼と鯨が混ざったような共生体がついている。
学連は私に交戦後に戦場で発見した構造体の破片を提供した、その一部の破片を判明したアンドリューサルクスー一数千万年前に存在した大型肉食獣。外殻の成分も実に面白い、私は自前の地質調査用ハンマーでその上から少し「皮膚」を剥いた。分析の結果は純粋な氷であった。
安定した氷も一種の鉱物である。
「ブランネージュ」Part2/4
それと対抗するために、赤色十月同盟学連は何回か討伐戦を行った。でも彼らは少しトラブルに遭った。
最初、赤色十月同盟学連は白ノ花嫁ブランネージュの能力はただ低温気候の区域を作り出すだけで、一番厄介な問題はその範囲が広いだけだと思った。それで、彼らのDOLLSに耐寒装備を増やした。
でも実際、彼らは問題を甘く見すぎた。私は大量な討伐報告を目に通した、中には色んな詳しい記述がある。例えば低温で装備が無効化させられたり、「冷凍ビーム」(たぶん低温によって超流動性の特性が付いた高圧液体束)によって切断された装甲など。でも一番気になったのはどの報告にも「命中」という言葉が記述されなかった。
砲弾の飛行軌跡は本体と接触する前に曲げられる。照準の問題でもミスでもなく、確実に方向を変換され、間違った方向に飛ばされる。
それが原因で、白ノ花嫁·ブランネージュが発見されてから現在まで、ほとんど「命中」されたことがない。赤色十月同盟学連は私にこの奇怪な現象の解明を依頼した。でも、彼らは花嫁との遭遇回数が多いが、対策もなく、機器を通して記録と観測することができなかった。大半の場合、まだ確信区域に接近してないのに、各種の装置が凍結で破損した。私の研究も難航した。
有効な手段をかけている原因で、赤色十月同盟学連は人海戦術を敢行した。そのせいで彼らのDOLLSの破損率が非常に高い。
偶然前線へ行くDOLLSの小隊を遭遇したが、彼女達の装備は明らかに何回も修復された物で、ボロボロだ。
私の「このままじゃ死にに行くと同じだ」という一言を聞いて、その中の一人小柄の少女が立ち止まり、軽蔑な口調で私にこう言った:「人間、あなたは死について何も知らない。」
「ブランネージュ」Part3/4
私は……ここの人の力になりたい。でも、データと情報があまりにも少ないため、観察が中々進捗できない。
悩んでいるうちに、ある友人からの手紙がこの問題の解読に重要なヒントをくれた。
礼儀としてここに彼の名前を記載させていただくーーウォルター·マイスナー。
物理学と工学の角度から、彼は私に一つの仮説を立てた:
金属製の砲弾の温度がある臨界値より低くなった時、電気抵抗は消えてしまう。その時、電圧を施さなくても、内部の金属の中間層は一定数値のトンネル電流が発生する。
そうなると近くの本体にかかる磁場をすべて排斥するようになり、元の飛行路線から逸脱してしまう。
都合のいい事に、鉱石を使って自身の構造を構成した災獣にとって、磁場は一般的な特性だった。
私の専門領域ではないので、完壁な描述じゃないかもしれない。でも認めざるを得ない事実は、砲弾が「白ノ花嫁·ブランネージュ」の能力範囲に侵入した時、飛行時間が本の数十分の一秒だけでも、限界値を超えた低温になって、超伝導体になった。
当然、通常の物理意義上の熱交換はこの一瞬で、スピードがマッハ2以上、数百度もある灼熱砲弾の温度をそこまで下げるのは不可能だ。まるで熱量が一瞬で、何かの物に「略奪」されたみたい。
「ブランネージュ」Part4/4
仮説が立てた後、私は一連の実験を実施し、検証をした。
前と違って順調に進んでいる、交戦区域の環境と破片を分析した後、すべての証拠は「白ノ花嫁·ブランネージュ」は分子。もしくは原子レベルで物質の熱量を奪い取る能力があると物語っている。
単純に「物を凍らせる」というはっきりしない言い方じゃなく、自身を中心としたその極寒エリアは、すべての物質のエネルギーは抽出された。中心半径100メールの区域では、分子運動はほぼ静止に近い。あの雪の結晶のようなものは、凝固した大気そのものだ。
あの熱量はどこへ行ったかというと、普通の災獣でさえ砲弾の運動エネルギーを絶縁層(シールド)の内部に吸収できるから。ある種常識を超えた創造物の「白ノ花嫁·ブランネージュ」によって、あの余計なエネルギーを宇宙の彼方へ飛ばすのも容易いことだろう。
彼女はそういう環境で自由に活動できるからね。
とにかく、これは私から赤色十月同盟学連に提出した最終解釈だ。
でも残念ながら、彼らの酷い状況を変えたわけでもない。
その力に対抗できる物など存在しないから。
今のところ、赤色十月同盟学連は根本的に白ノ花嫁ブランネージュと真正面で対抗することを諦めたが、その不安定な行動や行為ルートは大きな影響を痛すため、引き続き長期的な討伐活動を進行しなければならない。
帯剣ノ暴君・レックスアブリシウスとは
「レックスアブリシウス」Part1/4
名前通りに、極東重鋼学連は「City(シティ)」の最東方に位置する。
公式的に依頼は受けた訳ではないが、私は骨を折ってまでこの辺境に位置する、風土人情が常識離れの学連を訪れた。
この区域に活動している、ある正式に命名されていない共生種の知識を得るためだ。
私のいる西側から極東まで、「City(シティ)」全体を縦断し、約400キロの距離がある。
その大半は鉄道と車で移動できるが、残りは徒歩せざるを得ない。
当然、この時代でも、私は散策が嫌いではない。
報酬は旅の途中でたまたま極東重鋼の工業区を通った。
彼らが戦闘機型のDOLLSをテストしているのを見た。彼女が使っているARMSの形は私がよく知っているのとだいぶ違う、純白の塗装も強い印象を受けた。
急ぎで新型機種を開発する原因は理解している。あれが前方の平原高地にまるでランドマークのように立っているからだ。遠くからも見える。
あれというのは巨大な、マグマを吹き出し続けている火山だ。
あれを作り出した共生種の主体が観測される前に、強烈な地震が極東を襲い、巨大な断層帯を作った。
そして、隙間の向こう側に、引き起こされた地殻はマグマと共に激しく運動し、最終的にずっと噴火していて、まるで城のような火山を形成した。
まるでその小さな局部範囲内で、太古の地質運動が再演されたようだ。城の主人は黒い髪で、小柄の人型。その共生体は巨大な頁岩を無理やりに組み立てた、原始の獣脚類恐竜の構造を持つ二足の化け物。
巨大な体型、体には冷却した溶岩で形成された鎧が覆われている。隙間からは赤く輝く、流れている溶岩が見える。
「レックスアブリシウス」Part2/4
私のアポなし訪問はむしろ公式機関に歓迎され、すぐ顧問として彼らの研究会に迎え入れた。
あの不安要素の災難製造者を消滅するために、極東重鋼はすべてをかけて、奇襲式な攻撃を仕掛けるようだ。
彼らの説によると、この共生種の行動は非常に単純で、本体より、彼女が作った地形のほうが脅威的だそうだ。
その論点を証明できるこまごまとした戦闘記録を提供してくれた。
その戦闘記録をじっくり読ませてもらった。どうやらあの地殻変動を起こした共生種は、通常意味での攻撃や防御以外、他の共生種のような予測不能、対応し難い「特性」はまだ現れてないようだ。
でも私的にはそれが一番の不安だった。
研究会にはある学院の者もいた、彼らはずっと自分の新型戦闘機の性能を自画自賛し、責任者の判断を煽ごうとしていた。対応のDOLLSは重い表情で静かに隣に立っていた。私は一目で前見た白いARMSの使い手だと分かった。
残念ながら、それは私の専門ではない、私のDOLLSとARMSに対する知識はただ仕事で接点があっただけで、普通の人より少し詳しいだけだ。
だから、隣で笑顔を作る以外何もやることがなかった。
「レックスアブリシウス」Part3/4
私の不安は最終的に凶報になった。その後すぐ、私はそのミッションの情報を聞いた。
報告内容も非常に簡単だった、ミッションに参加した軍隊はほぼ全滅、生存者もいない。
私はすぐさま調査に参加し、この共生種はどんな怖い能力を持ってるかを知るために、交戦記録を分析した。
極東の責任者達はきっと大きなミスを犯し、重要な情報を見逃したからこんなに災難的な結果となった。でも、数日不眠不休で仕事をした結果、やっと結論が出た。
彼らはミスなんか犯していない、相手は確かに特殊性などなかった。
但し、彼らが見逃した問題というのは、彼女は確かに特性などなかったが、それが要らないだけだった。
あれとこれの解読しにくい「能力」が必要なかった。
強大な火力、堅実な防御、そして攻撃を実現する行動力。
あれ
金属を切り裂き、装甲を溶かし、目の前の敵を一瞬で消滅させるのに十分だった。
Simple is the
best、彼女が持っているのは、ただ単純明快な、純粋な暴力だけだった。
「レックスアブリシウス」Part4/4
彼女はすぐに喨々たる称号を手に入れた:「帯剣ノ暴君·レックスアブリシウス」。
人というのは複雑な行為をするものだ、人はある統治者に「暴君」と名付けた時、大体の場合はシンプルに彼のやったことを述べたいだけ、その人に分かりやすいレッテルを貼ることで、悪行を世の中に宣告する。
そのやり方は無責任に人性の多様性を無視し、人に彼は殺人や攻城掠地以外何も考えられないと先入観を与える。
でもその二文字を極東で大きな波乱を起こした共生種に使うのは、むしろ謙虚な言い方だと思う。
数千年を経て、私たちは再び大自然の暴政に服従せざるを得ないことになった。
絶境ノ回廊・マセドニアとは
「マセドニア」Part1/4
全ての共生種の中で、「絶境ノ回廊・マセドニア」の情報は一番少ない。
王立白薔薇学連の外側に果食う共生種、迷いの樹海の支配者。数年前に猛成長した植物で白薔薇の管轄区域を呑み込んだ。
一般的に、環境異変の核となる共生種は最優先ターゲットとして発見されるが、絶境ノ回廊・マセドニアは例外だった。
視覚的の面から見ると、人間を模した部分の人型は長髪の女性、巨大な多足系生物と同伴している。ただそれ以外の情報は一切ない。
ーつの原因は、稀に彼女と接触したDOLLSの小隊は戦間に入る前に連絡が途絶えた、事件後本人からも何も情報が引き出せなかった。
もう一つの原因は、王立白薔薇学連の執政者は、その環境異変によって生じた危害は他の学連の管轄区域より少ないと判断し、姑息政策を取ったからだ。
だから接触を前提とした研究ではー番厄介と言っても過言ではない。
「マセドニア」Part2/4
上記に書いてあったように、他の破壊性のある環境変異と比べると、この樹海一一学連側の認識ーーはずっと温厚な物だ。
ただ、他言無用なことに、共生種の領地として、この「人間は出ていけここは大自然の領地だ」と告げているかのような地域は見た目ほど単純ではない。
辺縁地帯で初歩的な調査を行った結果、ここの地形で生えている植物は現代の品種ではなかった。そして時に出会う巨大で肢體動物の形をしている災獣、まるで数億年前の景色だ。
その後、私はすぐ方向感覚が失ったのに気づいた。コンパスはずっと同じ道をぐるぐると回るようになっている。
幸い私はこの状況に備えていた。腰に巻いているロープを頼りに来た道を見つけたから、失踪は免れた。
でも、実際の境目まで結構距離があることに気づいた。白薔薇のDOLLSは私よりひどい問題が起きたんだろう。
樹海に向けての一回目の進軍後、ほぼすべての部隊が樹海内部で連絡が途絶えた。その後、白薔薇は攻撃を諦め、救援に方針を変えた。ただ撤退は明らかに進軍より困難な状況で、未だにまだ一部の部隊がその中にいる。
白薔薇の女王陛下はできるだけ絶境ノ回廊・マセドニアを刺激しないようにしているが、今の状況を見るとあの樹海の奥に棲んでいる魔女は女王の思い通りにしたくないようだ。
「マセドニア」Part3/4
さらに深刻なのは、該当区域の作戦に参加したDOLLSは精神的に不可逆な影響を受けたようだ。
自分の意志だけで自力で霧を突破し、帰還した幸運なDOLLSはこう語った。樹海の内部では、方向感覚だけじゃなく、時間の概念でさえぼやけて来るそうだ。
果てしない悪夢にいるようで、目が覚めると数時間しか経っていなかった類似の形容から簡単な推測を立てた、様々断片的な証言を一つの言葉にすると、「歪曲」というのが一番直観的だろう。
方向の逆転、遠近の模糊、時間概念の乱れ、最終的に意識に対する干渉になった。
物理的の障害や干渉じゃなく、「意識」の情報の流れがある不思議な影響を受けた。
この問題は「複数個体」を存在基礎とし、すべての個体に独自の感覚があるDOLLSにとっては、尚更ひどい問題になるーー個体の混乱意識が逆上し、DOLLSの自己認知に影響を与える。
「マセドニア」Part4/4
結局、絶境ノ回廊・マセドニアは私が一番理解していない共生種となった。
サンプルはもちろん、確実な写真ですら手に入れなかった。
調査が終わり、白薔薇を経とうとした時、撤退作業は完全に終了したと聞いた。
もちろんこれ以上のいい結果はないだろう。
私の長い年月の経験から言えば、万全な対策がある前に、任意の災獣に攻撃するのは巨大なリスクが伴う。相手が共生種だと尚更だ。
それに、絶境ノ回廊・マセドニアの状況はあまりにも特殊すぎる。同じ時期に出現した共生種は軍を率いた領主と例えるなら、彼女は裏で恐怖と呪いを操る邪悪な魔女だ。
彼女の趣味は破壊ではなく、支配だ。
彼女は今もまだ、あの霧深い樹海の中で、敵の侵攻を待っている。